声の形

普段は映画館にそうは行かないのに、9月は3本もアニメ映画を見ることになった。旅に出て夜がヒマなので映画でも見ることにしたのである。場所は倉敷のイオンモールにある複合館。祭日とはいえ夜の8時過ぎに映画館は大盛況。例によって「君の名は」は満席で「声の形」もほぼ満席。最前列の天井を見上げるような席しか残ってなかったので悪条件の映画鑑賞となったが、仕方がない。

「声の形」はある少年・将也の小学6年から高校3年にかけての物語。実際には中学時代はスルーしていきなり高校3年になる。将也は6年の時に転校してきた耳の不自由な少女・硝子をいじめた過去がある。高校3年で再び硝子に出会い、交流する中で自分の過去の業と向き合うことになり、葛藤の末に自分を解放する契機を得る。簡単に言えばそんな話。



ラブストーリーではあるんだが、それは物語を引っ張るエンジンであって少年少女の愛憎や人間関係、イジメや身体障碍者の問題を描くのが主眼かもしれない。大人の視点から見ると、そこで抱き合えさえすれば、簡単に物語は収束できるのに、とまどろっこしい感があるが、結局結末までそうはならない。理性や論理を簡単に吹き飛ばす肉体の接触に逃げ込んでは物語の発展がないからだろう。
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原作は大今良時の長編マンガで、かなり複雑で長い話。それを2時間あまりにまとめた脚本家と監督への評価も高い。原作を読んでないので何とも言えないが、よくできた原作らしい。少年マンガとは思えないほどシリアスなテーマである。ところが私には最後まで物語ではなく、アニメキャラクターになじめずじまいだった。だいたい2Dアニメやマンガでは人物の判別が難しい。若い女性では洋服や髪型でしか区別できない。したがって服装や髪型を変えるとだれがだれだかいよいよわからなくなるのである。そこの識別を助けるためなのか初めから主要人物の髪の色を区別している。下のスクリーンショットを参照。

小学生の頃。中央がヒロインの硝子。とりわけ派手な髪の色。紫である。
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高校生の頃
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ヒロインの硝子は難聴である。少女漫画のヒロインの典型でお目々はやたら大きく瞳は茶色い。もしこんな子が小学校にいたらそれだけで異様で校則違反もいいとこである。ファンタジーの世界では許されても、このようなリアルな世界を描く作品ではどうなんでしょう?あまりにも日本的なマンガの文法にのっとりすぎているんではないか。外国でもシリアスな作品として通用するだろうか。原作のマンガに引きずられているのか、他にもマンガな文法や長台詞や文字表現で語られる部分はまま見られる。
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主人公・将也の心理や行動は詳しく描かれるが、硝子は終始純真無垢で天使のようであるところもいささか腑に落ちない。硝子は難聴なので会話に加われず、発音も不明瞭なので複雑な意思疎通はできないとはいえ、やはりあらゆる葛藤があるはずなのだが、そこらは彼女が泣いたり自殺を図ったりする様子でしか窺うことはできない。18歳というと大人と言ってもいいくらいであるから、しかるべき扱いもあっていいのではなかったか。まぁ、そこらを含めて私には今一つ納得できない作品であった。とはいえ、こんな地味なテーマのアニメに夜11時まで映画館でつきあう若者がたくさんいるのに感心した。







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トトロのとなり

Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
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