日出の旅 大神回天基地

大神ファームから程近くに天然の良港というべき入り江がある。地図で見ると人工の掘り込み港かと思えそうな湾。


かねてこの地形が気になっていたので寄ってみた。そもそも波のない瀬戸内海なのに、湾口を大きな防波堤で塞がれた細長い入り江はほとんど波がない。遠景は高崎山。
大神回天基地
大神回天基地 posted by (C)オトジマ

しかしここで気になったのはこの湾の至る所に立てられた看板。戦時中、ここは特攻兵器回天の訓練基地だったとか。
大神回天基地
大神回天基地 posted by (C)オトジマ

基地の施設配置図をみるとかなり大規模な基地で、土々呂や赤水、細島の震洋・回天の基地とはかなり様相が異なる。
大神回天基地
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大神回天基地
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下:魚雷調整場。ここの水槽は昔のまま残っている。
大神回天基地
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格納壕がいくつか残っている。赤水の壕と同じような規格。
大神回天基地
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下:壕内部
大神回天基地
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この壕の上部の丘の上に回天神社がある。元来は住吉神社というのであるが、そばに摂社然として新しい社殿がある。近年作られたもののようである。
大神回天基地
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下:回天の模型が飾られている。
大神回天基地
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回天の機関部がある。シリンダーからスクリューまでが一体となっている。戦後、漁船の魚網にかかったものらしい。
大神回天基地
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油が塗られ、黒光りしている。
大神回天基地
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下:二重反転スクリューが見える
大神回天基地
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日本海軍の「酸素魚雷」は航跡を残さない高性能魚雷として知られている。それは子供の頃から知ってはいたが、メカニズムまでは知らなかった。回天神社に置いてある解説チラシによれば・・・

----回天1型の推進機関は酸素魚雷である九三式魚雷改三をそのまま使用。純粋酸素と白灯油を燃焼室に吹き込んで点火し、継続燃焼させ、これに海水を噴霧すると、継続して高圧蒸気が得られる。この高圧蒸気を滑弁と称する2気筒のポンプを使用しピストンを動かし、ベベルギアを介して二重推進軸を動かし、二枚の二重反転プロペラを回転させて直進する特殊な方式で、蒸気機関車の方式に類似している。燃焼の結果発生するガスは水素ガスで推進軸の中が排気筒で、これから出た水素ガスは海水に溶け気泡とならないので航跡が発生しない。いわゆる無航跡魚雷である。----  

とあるが、下線部が気になる。中学校の理科では水素は水に溶けない、と習う。少なくともほとんど溶けない。オマケにこの過程で水素が発生しそうな場面はないのではないか?web上の別の解説では---燃焼で発生した二酸化炭素は水蒸気に溶け込み、その水蒸気が海中に排出されるが、水蒸気は海水に溶け込み気泡を発生しない---とある。なるほどいかな高温水蒸気でも海水に混じれば一挙に冷却されて水になるだろう。コチラの方が合理的な解説のようだ。いずれにせよ、このエンジンは蒸気機関で、写真のシリンダーは自動車エンジンの気筒とは異なり、内燃機関ではないのである。ちょっと驚きのトリビアであった。

コチラに酸素魚雷の機関について解説がある。

神社境内からは入り江が見渡せる。手前はエビの養殖池。その先の丘陵にたくさんの兵舎や海軍施設が並んでいた。
大神回天基地
大神回天基地 posted by (C)オトジマ

今はのどかな漁村であるが、戦争末期にはここは決戦兵器の訓練施設、発進基地として大勢の軍人、軍属で賑わったはずである。搭乗員だけでも273名いたというから、総勢1000名以上いたんではないだろうか。この基地からの出撃では戦死者はいなかった、とチラシに記されているので、この回天神社に祀られている戦死者は他の基地の回天搭乗員や潜水艦乗員である。実際に回天の出撃による戦死搭乗員は87名で、そのうち発進戦死が49名いたという。つまり潜水艦から発進はしたものの作動不良で沈没したということ。ひどく信頼性のない兵器だったということなんだろう。

下:回天神社拝殿内にあった写真から
回天
回天 posted by (C)オトジマ

回天
回天 posted by (C)オトジマ

下:潜水艦の甲板に搭載された回天が見える
回天
回天 posted by (C)オトジマ

バラを見に来て思いがけず戦争遺跡に遭遇してしまった。

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トトロのとなり

Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
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