20-50クラブ???

20-50クラブという耳慣れぬ言葉が最近韓国系メディアに頻出する。

初めて聞いたのは最近の朝鮮日報電子版。このほど韓国の人口が5000万人を突破し、一人当たりGDPも今年2万ドルを突破したことから、韓国が大国の指標である「20-50クラブ」に入ることができた、つまり韓国が世界中にたった7カ国しかない先進大国として世界中に認知された、という誇らしげな記事である。本日6月23日付けではこの続報として『韓国の「20-50クラブ」入り、周辺国が羨望の視線』、『「20-50クラブ」脱落の危機に直面する韓国』という記事が見える。本日のYahooトピックスでは「韓国の人口5000万人突破」と言う記事で朝鮮日報の関連記事を紹介している。

下:朝鮮日報記事 (クリックで拡大で詳細、さらにクリック)


私はヨン様現象が巻き起こった8年ほど前からずっと朝鮮日報電子版の日本語版を愛読している。そこで気付くのは韓国人のランキング好き。年がら年中さまざまな指標による世界ランキングを作り、韓国が何位だ、と大騒ぎするのである。実は高度経済成長期やバブル期の日本にもそんな風潮があった。やれGNP世界2位になった、とか造船世界1位だとか、自動車生産がアメリカを追い越したとか。昨今では日本はすっかり内向きになってだれもそんなことは気にしなくなった。まぁ、大人になったということ。老大国のフランス人やイギリス人はそんなこと気にしないだろう。韓国はまだそんなことばかり気にしてる訳だから国家も国民も若い。

そんな韓国が言う20-50クラブという指標だからどうせ韓国人が創作したものだろうと思って気にもかけなかったのであるが、Yahooトピックスでも見かけたので、おや? 私が知らないだけで世界的に知られている指標なのかな?と気になった。そこで調べてみると、Googleで検索したかぎりは最近の韓国系メディアの発した情報以外にほとんど見かけない、という結果。つまり韓国人以外は知らない、あるいは一般にはほとんど知られていない言葉だということ。

20-50(一人当たりGDP 20,000ドル、つまり20サウザンド、人口50,000,000人、つまり50ミリオンで20-50)というのがたまたまちょうど今年韓国が達成する数字なので、これを持ってきたようだ。別に、10-40、30-60、40-100とか何でも良さそうである。たとえば現在では韓国人が騒ぐ「20-50クラブ」には、アメリカ・日本・ドイツ・イギリス・フランス・イタリア・韓国が該当するが、これをより所得の高い30-50クラブとすると、韓国だけがはずれる。やはり韓国中心の恣意的な指標のようである。

しかし、朝鮮日報が言うように植民地レベルから出発して伝統的な世界の列強、米英仏独日に追いつこうかという「20-50」水準に到達した例は韓国以外になく、今後も当分現れそうにない、というのは確かであるから驚くべきことなのかもしれない。台湾の発展度合いは韓国レベルであるが、人口が現状の2000万から5000万になることは考えられない。次の20-50の可能性があるのはスペイン、ロシア、ブラジルか。スペインは20-50どころか30-50のレベルであるが、人口がまだ400万ほど足りない。とにかく人口5000万人という枷があると可能性のある国は限られるのでこんな奇妙な指標は広く使われることはないだろう。

下:単純に一人当たりGDPの多い順。

資料:社会実情データ図録より

面白いのでいろいろと試してみた。

世界の人口ランキングを見ると1000万以上の国が約80カ国ある。東京都よりは少ないが、神奈川県や大阪府よりは多いのでそこそこの国であるから20-10クラブのグラフにしてみた。一挙に少なくなる。シンガポールやブルネイ、ホンコン、カタールなどのアジアの都市国家がいなくなる。


人口を東京都+埼玉県クラスの2000万人にすると20-20クラブ。このほうが語呂がいい。日本の順番がどんどん上がる。


所得を最先進国レベルの4万ドルにすると 40-50クラブ。たった4カ国になった。日本てこんなに豊かだったの?? 多分に円高のおかげ。購買力平価を加味すると日本の順位はドーンと下がるのが実情。


今度は人口を1億以上に限る40-100クラブ。これを20-100にしても結果は同じである。こうやってみると日本は韓国に比べるととんでもない先進国であることがわかる。それにしては日本は韓国に比べ元気がないなぁ。人口が2倍半あるからGDPで逆転は考えられないが、一人当たりGDPではそのうち逆転する可能性は多分にありそうだ。


まぁ、多くの日本人にとっては20-50クラブなんて興味のない話ではある。しかし朝鮮日報を読んでちょっと驚いたのは、世界で初めてこの20-50ラインに到達した国はアメリカでもドイツでもなく、なーーんと日本なのである!! ちょうどバブルの頃の1987年であるが、当時はそんな話題は聞いたこともなかった。なにせ日本の人口は長年1億人台を保っているわけだからそんな奇妙な指標が問題になるわけはないのである。いずれにせよ、日本関連の否定的情報が大好きな韓国マスコミではあるが、20-50クラブという概念を持ち出せば、この輝かしい到達点に初めて到達した国があろうことか大嫌いな日本であったという、いささか不愉快な事実にも触れざるを得ないのであった。


話は変わって、韓国マスコミの直近の話題で聞き捨てならないのは「日本が核武装に向けて法律を整備した」という大ニュース。日本ではそんな重大ニュースは全く聞かないが、韓国マスコミでは既定の事実として普通に語られている。日本は韓国にとって仮想敵国であるから、国防上の重大事というわけである。これは6月20日に国会を通過し成立した「原子力規正委員会設置法案」に「原子力利用についてわが国の安全保障に資する」という文言があることを言っている。

下:朝鮮日報記事 (クリックで拡大で詳細、さらにクリック)


日本国内では現在消費税法案の行方で大騒ぎであり、朝日新聞を見ても核武装関連の記事は見当たらない。「赤旗」ではさすがに法案通過の前後にそれぞれ市田書記局長の談話を載せているが、消費税関連記事と比べると小さい扱いだ。この法案は「原発の半永久的稼動に道を開くものである」、という重大問題があるという点を重視しており、「安全保障に資する」という点については触れてはいるが付けたし的。「核武装化」を懸念する共産党の本気度はほとんどない、と考えていいだろう。だいたい安保条約に縛られている限りアメリカがそれを許す訳がないじゃないか。

韓国で最大手の新聞である朝鮮日報でも、日本関連のニュースではこの手の曲解は珍しくない。またこの記事にも見られるようにセンセーショナルな見出しに釣られて読むと本文は単なる憶測というパターンも多い。東京からの距離で言うと韓国も九州も似たようなものであるのにナゼに韓国では日本に関するいい加減な情報がまことしやかに語られるのか不思議である。台湾や中国ではもっとヒドイかもしれないが。いわゆるクォリティペーパーという類がない国々ではある。

また韓国マスコミは日本関連のニュースソースとして安直にネットから持ってくる悪癖がある。ネット上にはリア充ではないウサバラシを韓国・中国罵倒に情熱を傾けて解消するヒマ人がウジャウジャいるが、彼らのたわごとを日本の有力なオピニオンとして紹介することがある。すると「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」的に反日感情がさらに醸成されるというわけだ。ひるがえって日本では、少なくとも大手マスコミのNHKや朝日新聞が韓国について悪意や敵意を秘めたトンチンカンな記事を垂れ流しているとは思えない。まぁ、記者達のジャーナリストとしての質的な基準が彼我では違うのかもしれない。

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Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
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