ハゼと色覚

宮崎県の海岸沿いは暖地なので紅葉する樹種が少ない。せいぜいハゼくらいだ。ハゼは今、12月が紅葉の盛り。見事に真っ赤に染まっている。

門川町中村で
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PC070422 posted by (C)オトジマ

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日向市日向岬で
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ハゼというと思い出すことがある。昔、私が子供の頃、家族で裏山のハゼの紅葉を見て「ハゼがキレイだね」という話をしていたら、父は「どこにハゼが??」と気付かなかった。
そう、父は赤緑色覚異常だったのである。色覚異常にもいろいろ種類があるが、多くは赤緑系の識別に困難を生じるというから、緑色の山の中にハゼの赤い斑点のちらばる景色はほぼ一色に見えるらしい。
下の写真のような状態はとりわけ苦手なのではないか。
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PC190453 posted by (C)オトジマ
日本人男性では約4%、白人では約8%が該当するというからそう珍しくはない。8%だとサッカーチームに約一人はいる。ゴールキーパーなみの頻度。ニューヨーク市の人口規模だと36万人もいるというから無視できるほどのマイノリティでは決してない。

左利きは人口比で約10%いるというが、さして異常とは考えられていない。色覚異常の白人男性の8%という数字は左利きの割合とさして違わない。
仮に色覚異常の白人男性の8%と言う数字が80%だとすると、その方が正常となり、今は正常だとされる色覚の方が異常とみなされるだろう。色覚異常は左利きと同じで比較少数派なのでいろいろと不便が生じているにすぎない。世の中は3原色派が多数派なので彼らの便利なように作られているものが多い。

人間の目の色を識別するための錐体細胞には3種類あり、おおむね光の三原色である青・赤・緑に対応している。このうち赤と緑を決定する遺伝子がX染色体上にある。X染色体は女性は2本、男性は1本持っている。もし赤か緑が欠けている場合、男性は赤緑色覚異常になるが、女性はもう1本スペアがあるのでそうそう赤緑色覚異常になることはない。そういうわけで赤緑色覚異常は圧倒的に男性に多い。血友病が男性に多いのと同じ理屈だ。

では赤緑色覚異常の人にはどのように見えているのか、というと実は本当のところはわからないのではないだろうか。だって私が赤と思っている赤とあなたが赤と思っている赤がまったく同じものである保証はないし、比較のしようがないのである。電機店のテレビ売り場ではたくさんのテレビが同じ画面を映しているが、各々のテレビはそれぞれ自分の発色が正しいと信じている。しかし色調はそれぞれ微妙に異なる。

そこをあえて説明するとこうなるらしい。
http://www.vischeck.com/daltonize/
このサイトからの引用であるからあしからず。英語の読める方は詳しくはこのサイトを読んで欲しい。


つまり左が正常、右は赤緑色覚異常の見え方の例。
赤い果実が判別しずらく、赤と緑は同じ褐色系に見える。

下の例では、山のハゼを認識できなかった父の視覚がわかる。
森の中で果実を捕食する動物なら赤い果実を見逃すだろう。


アメリカ映画に「シュレック」という怪物がいるが、赤緑色覚異常の人は、他の人が緑だ、と言うのを聞くまで褐色だと思っていた、という話を下で紹介するブログで読んだ。


私の父が赤緑色覚異常だった訳だから私の血脈にはその遺伝子が確実に存在する。どうやら現在の私の子供にはいないようだが、縁戚の男性にいる。彼はアパレル関連会社に就職したのであるが、仕事をする中で、生地や柄の判別をできない、と指摘された。そこではじめて自分が色弱であることを知り、退職を余儀なくされた。その後転職して、不自由なく暮らしているが、やはり、職業によっては不利たらざるを得ない場合があるのである。

昔からパイロットなどは色覚異常ではなれないし、医療関係でもトリアージタグの色が識別できないとか、患者の肌の色の変化が見えにくいとか不都合が多いらしい。料理でも焼いた肉が生焼けなのかウェルダンなのかよくわからないという。
農業にも不便ではないか?赤ピーマンと青ピーマンが同じように見えるとしたら。

利点もなくはないらしい。昔から爆撃機の乗員に一人色覚異常者を混ぜておいて、敵のカムフラージュを見破った、という話がある。ホントかどうか知らないが国内外を問わず有名な逸話である。生まれつきの色覚異常者は別に自分が異常な世界を見ている、という実感はない。長ずるにつれ正常者との軋轢のなかで自分の特性に気づくだけである。私は父からの遺伝でアルコール分解酵素が欠如しているので下戸であるが、格別不便を感じることはない。上戸からは「そりゃ、えらく人生損をしてますなぁ」と気の毒がられるが、当人にそんな実感はないのである。

我家の色覚遺伝子の系図を作ってみた。中学で習うメンデルの法則である。色覚異常は劣勢遺伝し、その遺伝情報はX染色体上にあるので、色覚異常は男性に現れるが、女性を経由して遺伝することがわかる。下の赤いAが私に当たるので、私の子や孫には色覚異常は現れないことになる。ただし子や孫が色覚異常の因子を持つ配偶者を得ない場合に限る。

※まれに両親とも色覚異常の因子を持つ場合にはX'X'の遺伝子を持つ女性が現れ色覚異常となるが女性の0.165%にすぎない。

色覚異常に関する私の解釈はあまりアテにならないので詳しくはコチラのウィキペディア記事を参照。

コチラに色覚異常の方のサイトがある。彼はデザイナーとして活躍し、さらに色覚異常の立場からのいろいろな発言をされている。ブログを読むとなかなか面白い。興味ある方は覗いてみることをお薦めする。






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No title

ハゼからマイノリティへいくとは、中々面白いですね。
さて
・色や図形に滅法強い私ですが、数字は苦手。
・人の名前が覚えられない。
・将棋をはじめボードゲームはいつも負ける。

これもそうでしょうか?

ミワ君へ

やや!ミワ君! 君は私と同じような特性を持っているようです、可哀想に。若い頃、下宿で麻雀、パチンコ、囲碁など友人達に仕込まれたんですが、ゲーム類は何をやらせてもダメだったんです。現在でもテレビゲーム類はしたことがありません。人が覚えられないのも困りもの。店などで挨拶をされても誰だったか思い出せないので人に会うのがコワイ。君と同じく地図とか図形には強いし、記憶力もいいんですけどねぇ。
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Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
日豊地域での見聞を中心に徒然を記す。
お金がないので遠くには行けない。
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