生頼範義展

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P2260921 posted by (C)オトジマ

宮崎アートセンターで開催中の生頼範義展に出かけた。生頼氏を慕う地元の人々の大変な尽力で開催に至った。

たいていの人が生頼範義の絵はどこかで見ているはずだが、商業美術なので画家を意識することなく見過している。それに彼の活躍したのは1970年代から1990年代なので若い人には過去の人になっているかもしれない。そもそも彼の名前の生頼(おうらい)が読めないので、名前の認知にかなり損をしているかもしれない。私だって最近までオライとばかり思っていて、英字表記のOhraiを見て、オウライだと知ったくらいである。絵にはカッコいいサインが入っているのであるが、これまた読めないのである。

生頼氏は全国的に活躍したし、映画「スターウォーズ」のポスターで有名であるくらい超メジャーであるが、全盛時代よりずっと宮崎に在住している宮崎の地元作家なのである。こんな偉大な作家の回顧展が宮崎くんだりで開催される訳はそれなのである。もちろん関係者の大変なご苦労のおかげでもある。県民にとっては望外で大変な福音なのであるから、こぞって見に行かねばならない。

アートセンター1階のエレベーターの扉。宮本武蔵がすごい迫力。
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P2260895 posted by (C)オトジマ

この展覧会は作品を撮影していい部屋が二つ用意されている。太っ腹でブロガーには嬉しい配慮。
生頼氏の作品はタブローではなく、書籍、雑誌、ポスターなどの印刷を前提としている。1980年代の文庫本大ブームの頃には大量のカバー絵を描いているので、本が多く展示されている。

小松左京の作品は生頼氏が多い。その当時は生頼氏とは気づかなかった。
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点描で描かれた人物画には写真では表せない迫力がある。原画は大きくて素晴らしい力がある。ホワイトで修正・レタッチし放題のいわゆる版下絵とは異なり、修正の跡が見られないのがすごい。だれでも生頼氏に描いてもらえば大人物に見えること間違いなし。
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生頼氏は人物は男女や古今東西を問わず大変素晴らしいが、SF物やメカ物、ミリタリー物がまた超絶的に素晴らしい。
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これはガラス越しではっきりしないが。 P51が朝焼けだか夕焼けの中にたたずむ姿。第二次大戦中でも最も無機的で現代的なデザインの殺人兵器が素晴らしい詩情をたたえている。このカバー絵だけでもこの本を買いたくなる。私の生頼認識はこの手の作品ばかりだった。
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右の「目標、イ号潜水艦」の表紙はイ号潜水艦が浮上停泊している様子であるが、これまた素晴らしい雰囲気をかもし出している。この原画が見たかったが、なかった。ロマンティックな月明かりの南の島と殺人兵器の取り合わせは奇妙であるが、実はストーリーの一場面を活写しているのである。イギリス人作家の作品で、大戦中、インド洋でイギリスのインド航路撹乱の任務を負ったイ号潜水艦とこれを追撃する英国駆逐艦との息づまる攻防が描かれる。だからこの場面はアフリカ東海岸ザンジバル近辺なのである。帝国海軍の戦域は広かった。イギリスが主役で日本が悪役ではあるが、あまりの面白さに私は2度も読んでしまった記憶がある。まぁ、潜水艦物は本にしても映画にしてもあまりハズレがない、というのが私の自論。
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新聞広告用の武将絵。絵が本の購入意欲を高めたことは間違いない。こりゃ売れるよ。生頼さんに依頼が殺到したことだろう。この原画も見たかったが展示はなかった。
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上の絵にはモノクロ作品ならではの素晴らしい力がある。ところが、カラーのリキテックス作品の武将絵はこれまた超絶的である。「三国志」「信長の野望」など、コンピュータRPGゲームのパッケージ絵の原画がいくつも展示されていた。かなり大きな作品である。登場人物達、戦闘場面、地図、まつわる美女などが、一枚の絵の中にたくみに構成されていて、メチャ購入意欲をそそる。この絵に釣られて購入したら、NECのPC98時代のショボイ画面に失望した人も多かったはず。撮影禁止だったのでその写真はない。ぜひ会場で見て欲しい。小さい印刷物でみるとその美しさと神業的迫力はわからない。

徳間書店のSFアドベンチャーという雑誌があり、生頼氏が80年代に91回にわたって表紙を描いている。一部が撮影OKだった。
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P2260922 posted by (C)オトジマ

原画はキャンバスに描かれており、布地が見える。
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作画のつど、アクセサリーや衣装を買ってきたというからすごい。
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マス目の入った下絵が展示されていて、製作過程をうかがえる。ビデオでのメイキング映像も見れた。魔法ではなくて、本当に手と筆で描いていることがわかる。
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生頼氏は超売れっ子イラストレーターだったから、今回展示は作品のごく一部のはずである。どこかに常設館をつくり、その全貌を見る事ができたら素晴らしいだろう。知事さんとか市長さん、宮崎の宝物ですよ。お金を惜しんではいけません。

詳しい情報は、こちらの宮崎アートセンターオフィシャルブログで。




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どんなレビューになるか楽しみにしていまた。
丁寧にご覧になったのですね
そして感動具合が伝わって来ました
これを参考にもいう一度見に行きます

「ミワ君らの大変な尽力で開催に至った」は間違いですよ
トトロのとなりさんに伝えるのに頑張ってみただけ
ただの関係者です
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Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
日豊地域での見聞を中心に徒然を記す。
お金がないので遠くには行けない。
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