セウォル号とポセイドン

韓国の旅客船セウォル号の遭難から1週間が経つ。日に日に死亡者が確認されていくが生存者の報はない。水中の暗闇で飲まず食わずに1週間以上生きるのはほぼ不可能だろうが、一縷の望みをかけて救出作業が続く。

事故当初は逆さまに転覆したわけだからうまくすれば船内に空気だまりができてそこに生存者が残っているのではないかと期待された。そんな例は日本でもある。

まず思い出したのは映画「ポセイドンアドベンチャー」(1972年アメリカ)。
パニック映画のはしりとなった大スペクタクル映画。日本でも大ヒットした。
私は大阪・梅田OS劇場のシネラマ大画面で見たので印象深い。
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クルーズ客船のポセイドンが地中海を航海している。ちょうど大晦日の夜で船内の乗客はカウントダウンパーティに興じている。そこに巨大津波がやってきて船は転覆する。天地が逆になって浸水が起こりパニックとなった船内で大方の乗客と船員が命を落とす中で、勇敢な神父に率いられた数名が苦難の末に救出される。最後は海上に沈み残った船底に穴を開けて救出されたと記憶している。セウォル号の場合は転覆して、完全水没しているのでやや異なる。船底に穴を開けることも検討されたが、残った空気が漏れてしまい、水が浸入するので生存者がいた場合を考えて実現しなかった。

知らなかったのであるが、これは何度も映画化、ドラマ化されている。
これは1972年版の予告編。楽しげなパーティが突然パニックに・・


2006年版の予告編


隣国の大事故なので日本でも関心が高い。この手の事故はフィリピンやインドネシアあたりでもちょくちょく聞くが、日本ではあまり詳報されない。安全基準がいいかんげんな発展途上国ならさもありなん、ということだ。しかし韓国はすでに先進国の域に達しているから、「なぜこんな信じられない事故が?」ということになる。事故原因は過積載やズサンな貨物固定、未熟な操縦、さらに事故後の船員たちの乗客無視の対応など、ほとんど人災。

朝鮮日報から
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朝鮮日報電子版で事故関連記事を毎日読んでいると、「先進国」という言葉がよく出てくる。「こんな後進国型の巨大事故を起こすようでは韓国は先進国として恥ずかしい」とか「携帯電話世界最先端の韓国でなぜこんなズサンな事故が?!」とか。韓国のマスコミ論調はつねに韓国の自尊と自嘲を揺れ動く。強烈な愛国心あればこそ。他の国ではあまり見られない光景なのではないか?「世界一の造船大国がなぜ日本の中古船を使っているのか?」という記事もある。ここにも自尊と自嘲がある。日本では奄美大島航路で18年も使われた中古フェリーだったが韓国では最大最豪華な客船だったのである。

日本では9年前のJR福知山線脱線事故が思い出される。これもまったく人災だった。批判は運転士に無謀なスピードを強いたJR西の管理体制に向けられたが、「国の恥さらし」という世論はなかったように思う。「あまりに時間に細かすぎる余裕のない国民性」が論じられたことはあるが、「PUNCTUAL」は反省されるどころか、いよいよ日本の鉄道の美点として語られることの方が多い。

今回の事故は高校生の被害者が多いだけにより悲劇的。一挙に300名の若者が死ぬなんてそうあるものではない。韓国では国の方針で修学旅行が中止された。そもそも修学旅行というのも日本的な風習で日本統治時代の名残だろうからやめたほうがいいのかも。ガクランはとうに廃止された。昔から「克日」が国是の韓国である。ニュースを見ていて奇異に感じたのは学生たちのメガネ。韓国にはえらくメガネの若者が多いが、それが皆が皆、驚くような大きなクロブチ眼鏡なのである。ほとんど四角いトンボめがね。童顔に巨大なクロブチなのでまるでアラレちゃん状態。それが流行なんだろうが、流行は流行の圏外から見ると奇異にしか見えない、という典型である。

KPOPに詳しくないのでこの人物がだれなのか知らないが、高校生たちのメガネはこれよりもっと大きい。
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朝鮮日報では興味深い関連記事を見た。コチラ
セウォル号のセウォルとは漢字では「世越」と記し、世界を超越するという意味らしい。そもそもこの船会社のオーナーは新興宗教の教組だという。会社幹部はすべてその宗教団体信者でオーナーは社員に自分のことを「アヘ」と呼ばせるが、それはヤハウェ、あるいはエホバ、すなわちキリスト教・ユダヤ教の唯一神の名である。教義的には根本主義派キリスト教系のようだ。韓国はキリスト教が盛んで聖書根本主義的な福音派が多い。霊感商法で悪名高い統一教会も韓国生まれである。金儲けと宗教には熱心でも船の安全管理には徹底的に手を抜いた船会社に神の恩寵はなかった。フィクション中の人物とはいえ自分の命を賭して他の乗客を救ったポセイドン号の英雄的神父とは同じ神を信じながらエライ違いである。

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Author:トトロのとなり
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