東村アキコ かくかくしかじか

帰省した娘が仕事関連のビンゴ大会で当たったキンドルを持っていた。アマゾンでは先月、プレミアム会員には大幅割引で3980円で買えたので私も食手が動いたのであるが、まぁ、どうせ買っても新刊本をどんどん買うってことはないだろうな、という判断でやめた。

右が6インチキンドル、左は7インチタブレット。年寄りには6インチでマンガを読むのはキツイ。娘は別になんともないらしい。文庫本のマンガを読むサイズであるが、東村のマンガには細かい書き込みが多いので虫メガネがいる。
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PB010625 posted by (C)オトジマ

娘が何を読んでいるか、というとコミックが多いらしい。今彼女がはまっているのが東村アキコ。私は最近のコミックはほとんど知らないし、少女マンガは特に苦手なので当然初耳だ。娘が東村にはまっている理由の一つが同郷であるということ。すなわち彼女は宮崎出身なのである。これまた私だけ知らずに県民の皆様は先刻ご承知の県出身有名人なのかもしれないが・・・・

文化果つる地、宮崎にはあまり文化人が育たず、長年牧水しかいなかった。最近でこそ、コブクロの小渕や俳優の堺雅人や温水洋一、さらには文化と縁遠い御仁ではあるが名前だけは売れてるそのまんま東など全国区の有名人が出てくるようになった。しかし隣県の鹿児島、熊本、大分と比べると桁違いに少ない。そんな中で売れっ子マンガ家が出る、というのは県民としては大変喜ばしいこと。

これは後日コミック版で買ったもの。4巻で税込3200円だからけっこう高い。キンドル版は一巻で600円。
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PB090894 posted by (C)オトジマ

というところで、娘のキンドルに虫眼鏡をあてて、「かくかくしかじか」を読んでみた。東村はギャグ系の少女マンガ家でヒット作は多いらしい。「海月姫」は映画化され「ママはテンパリスト」はミリオンセラー。しかし、この作品だけは彼女の自伝。現在第4巻まで出ていて高校生の頃からマンガ家になる10年間くらいを描いている。自伝だけに宮崎が舞台で、県民にとっては馴染み深い所が出てくるし、ギャグ満載なのでいきなり面白い。田舎のマンガ家志望の少女がいかにしてマンガ家になれたか、という物語だから藤子不二雄Ⓐの「まんが道」みたいなものか。

キンドルを写真に撮った。ドットは全く見えない精細さ。
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ほとんど事実に基づいていると思われるが、大変面白い。東村はペンネームで本当は林明子。マンガ中では林アキコとなっている。彼女が宮崎西高の高校生であるところから始まる。マンガ家志望であるが、とりあえず美大に進学を志し、受験のためデッサン教室に通い始める。彼女は卒業後も通算8年ここに通うことになるのでマンガ中でも半分はこの教室の話。この教室の先生が実に個性的な人物なのである。このマンガの魅力の大半はこの個性的な先生に負っている。マンガ中では日高絵画教室の日高ケンゾーとなっているが、実は実在の人物。

マンガを読むと誰しもこの「日高先生」とは誰のことだろう、と気になる。マンガ中には記されていないが、ネットで調べると画家の日岡兼三氏だとわかった。私は全く知らない名前だった。どんな絵を描く人だろう?ネットで検索しても作品らしい作品の画像は得られないが、とても気になる。画集が出たことがあるらしいが、現在は入手できない。

これが日高先生。いつもジャージでジーパン、片手に竹刀。
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ネットで検索すると日岡兼三氏の名は「東村アキコ」関連で多くヒットする。すなわち地方在住のマイナーが画家であったが、弟子のマンガによって知名度が広がっている、ということだろう。日岡絵画教室の生徒には他にも二人マンガ家がいるとか。一人は東村の後輩で東村のアシスタントを経てマンガ家になっている「はるな檸檬」である。宮崎市在住のデザイナーにも生徒が何名もいるようだから、日岡氏が宮崎の美術界に与えた影響はけっこう大きいんじゃないだろうか。画家としてより教育者として役割を果たした人だったのかも。

絵を描く日高先生。 コチラはマンガからスキャン。故意に画像を荒くした。
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日岡氏の教室は基本週3回のレッスンで月謝5000円!というのに驚く。受験が近づくと土日もなく毎日行くことになるがそれでも5000円。中には私は4000円だった、と言う人もいる。生徒は増減はあるだろうが、マンガの中には生徒20人、という場面もあるので単純計算すると月収10万円!!40人いれは20万円でなんとかなるだろうが。主婦のアルバイトのピアノ教室やECCホーム教室ならともかく、大の男がいかな生活費の安い宮崎といえども10万円で生計を立てるのはキビシイ。まぁ、実をいうと私もさして変わらぬことをしているので大変さは十分推し量れるのである。まぁ、私は内助の功でなんとか暮らしているが・・・。

娘のキンドルで3巻まで読んだが、結局改めてコミック本で4巻まで全巻を買ってしまった。1巻が主人公アキコの高校時代、2巻が金沢美大時代、3巻で宮崎に帰ってNTTに就職、4巻でマンガ家デビューして大阪に出る、というところまで来ている。日岡氏は10数年前にガンで亡くなっている。「かくかくしかじか」ではおそらく第5巻でその状況が見れるだろう。

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ネットで東村アキコを検索すると彼女の画像が多数見られる。美人である!!! マンガ界では美人マンガ家として有名らしい。「かくかくしかじか」の中ではアキコはかわいい少女として描かれる。単に少女マンガの常道で主人公をかわいく描いているのか、と思ったらなんと事実でした。世の中には才色兼備の人っているもんなんですね。

第3巻までは絵画教室や美大にまつわる話が多い。だからアートに関連する学校や職業に関係したことのある人には心当たる話題やエピソードが多々ある。スポーツもそうだが、美術や音楽は多くの人が志すものだが、それで飯が食えるようになる成功者はごく少ない。日高先生だって成功者とはいい難い。安易な覚悟でアートやマンガの世界を志す若者もなかなか勉強になるマンガである。私もマンガ家志望の中学生に読まそうと思っている。

「かくかくしかじか」はアマゾンのカスタマーレビューで大変好意的なものが多い。別に県民でなくとも皆さん高い評価をしている訳であるが、宮崎県民ならさらに倍して面白く読めること請け合いである。お薦め。

コチラに日岡兼三氏の画集についての後日のポスト。

東村アキコ公式サイトはコチラ

東村アキコのブログはコチラ
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日岡氏は奥様と同居していました。

「かくかくしかじか」に関する記事を探していてたどりつきました。
日岡先生は奥様と同居していたご自宅で生徒を指導していました。
先生と生徒との交流も奥様がいる場で行われていたので、
先生と生徒との間で不倫のような関係が生まれた可能性は低い
と思います。「かくかくしかじか」の作品中に奥様が描かれていない
のは、あくまで事実をもとにしたフィクションだからでは?

とんさんへ

ご指摘ありがとうございます。あくまでマンガからの憶測だったのですが私の不明でした。さっそく記事を訂正しておきます。
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トトロのとなり

Author:トトロのとなり
現在トトロのとなりの門川町に住む。
日豊地域での見聞を中心に徒然を記す。
お金がないので遠くには行けない。
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